新型コロナが治ったはずなのに 立ち上がる気力が出ない 体が鉛のように重くて動けない というだるさ 脱力感に悩む人が少なくありません。
検査では大きな異常が見つからないのに 日常生活すらこなせない状態が続くことがあり ロングコビッドの中でも特につらい症状の一つです。
この記事では コロナ 後遺症 だるさ 脱力感に苦しみながらも 少しずつ動けるようになった体験談と 医療機関で行われた治療 自宅で実践したセルフケア 成分やサプリメントの考え方をまとめます。
コロナ 後遺症 だるさ 脱力感 ロングコビッドとは
ロングコビッドに多いだるさ 脱力感の特徴
ロングコビッドでは 発熱や咳が治まったあとも 強い倦怠感や脱力感が数カ月続くことがあります。
階段を一階分上がっただけで息切れと疲労感が出たり 朝シャワーを浴びるだけで一日のエネルギーを使い切ってしまうと感じる人もいます。
しばらく休めば元に戻る普通の疲れと違い 睡眠を取っても抜けない 重い疲労感が特徴です。
また 体力が落ちた感覚だけでなく 頭がぼんやりして考えられない ブレインフォグを伴うこともよくあります。
「検査は正常なのに動けない」状態が起こる理由
一般的な血液検査や画像検査では 異常が出ないことが多く 「どこも悪くないですね」と言われてしまうケースが少なくありません。
しかし 実際には 自律神経の乱れ 微小な炎症 筋肉のエネルギー代謝の低下などが複合的に起こっていると考えられています。
感染中の安静や寝たきりが続いたことで 筋力と心肺機能が大きく落ちている場合もあります。
そこへ元の生活ペースに戻ろうと無理を重ねると さらに強いだるさと脱力感となって跳ね返ってくる という悪循環に陥りやすいのです。
コロナ 後遺症 だるさ 脱力感が改善するまでの体験談
体験談1 仕事に復帰できないほどの倦怠感からの回復
一人目は30代男性 事務職。コロナ軽症で自宅療養したものの 解熱後も 強いだるさと脱力感が残りました。
復職しても半日でぐったりしてしまい 帰宅後は横になるだけで何もできない状態が一カ月以上続きました。
総合病院のロングコビッド外来を受診し 血液検査や心電図は大きな異常なしでしたが ポストウイルス疲労症候群に近い状態と説明されました。
主治医と相談し 週5日のフルタイム復帰ではなく まずは週2日の短時間勤務から再開し 徐々にシフトを増やす方針に切り替えました。
並行して ビタミンB群と鉄を含むサプリメントを導入し 朝は軽いストレッチだけ 夜は早めに就寝する生活を三カ月続けました。
その結果 半日勤務ならほぼ問題なくこなせるまで回復し 半年後にはほぼフルタイムに近いところまで戻ることができました。
体験談2 主婦業すらこなせなくなった脱力感が軽くなったケース
二人目は40代女性 専業主婦。コロナ感染後 料理 洗濯 掃除といった日常家事ですら 途中で力が抜けて座り込んでしまう状態になりました。
家族から「見た目は元気そうなのに なぜ動けないのか」と言われることが心理的にも負担でした。
内科で検査を受けるも 異常は貧血気味なくらいで 特に目立つ所見はなく ロングコビッドが疑われると言われました。
医師からは ペーシングという考え方を教わり 一日にやる家事を細かく分け 間に必ず休憩を挟むように指導されました。
具体的には 朝は洗濯だけ 昼に軽い調理 夕方に片付け というように 一度に複数の作業を詰め込まないようにしたところ 夕方以降に寝込むことが減っていきました。
プロテインやアミノ酸サプリでタンパク質を補い 姿勢を整える軽い体操を続けた結果 三カ月ほどで「一日の終わりまでなんとか動ける」レベルまで改善しました。
体験談3 若い世代で「怠けているだけ」と誤解され続けたケース
三人目は20代女性 学生。コロナ感染後 とにかくだるい 力が入らない 状態が続き 大学の授業に出ることも難しくなりました。
周囲からは「若いんだからすぐ治るはず」「サボっているだけでは」と見られ 孤独感と自己否定感が強くなりました。
大学の相談窓口から紹介されたロングコビッド対応のクリニックを受診し 疲労と自律神経の問題が重なっていると説明されました。
少量の漢方薬で体力を底上げしつつ 通学日数を週1〜2日に減らし 残りはオンライン授業と自宅学習に切り替える対応が取られました。
周囲の理解を得たことで「無理に元通りに戻らなくていい」と思えるようになり 罪悪感が軽くなったことも 体調改善に大きく影響しました。
一年ほど時間はかかりましたが 今では週4日通学できるまで回復し サークル活動にも少しずつ戻り始めています。
医療機関で受けた診断と主な治療法
内科 ロングコビッド外来での検査の流れ
だるさ 脱力感が続く場合 まずは内科で血液検査 心電図 胸部画像などの基本的な検査を行い 貧血 甲状腺異常 心疾患 肺疾患 などを除外します。
異常が見つからないのに症状が強い場合 ロングコビッド外来や専門外来に紹介されることがあります。
専門外来では 体調変動のパターン 心拍数の変化 起立時の血圧変動 睡眠の質なども含めて 自律神経の状態を詳しく評価します。
慢性疲労症候群やPOTS(起立性頻脈症候群)に似た状態がないかも確認し 状況に応じて治療方針が検討されます。
漢方薬 ビタミン療法 リハビリテーションの組み合わせ
明確な特効薬はありませんが 実際の現場では複数のアプローチを組み合わせることが多いです。
漢方薬では 体力低下とだるさに補中益気湯 気持ちの落ち込みやイライラを伴う場合に加味逍遙散 眠りの質を整える目的で抑肝散などが使われることがあります。
ビタミンB群 ビタミンC 鉄 亜鉛 などの不足があれば 補充することでエネルギー代謝を補助します。
リハビリテーションでは いきなり激しい運動をするのではなく 理学療法士の指導のもとで ごく軽い負荷から始め ゆっくり段階を踏んでいきます。
自宅で続けたセルフケアと生活習慣の工夫
ペーシング(活動量のコントロール)の実際
ロングコビッドのだるさ 脱力感では 「元の自分」を目指して頑張りすぎると 体調が大きく悪化することがよくあります。
ペーシングは 一日の活動量を意識的に制限し 「少し物足りない程度」で止めることで 悪化の波を防ぐ考え方です。
例えば 30分家事をするとぐったりするなら 15分家事+15分休憩に分ける 週5日の仕事をいきなり再開せず 週2日から始める といった具体的な調整を行います。
「できるからやる」ではなく「明日も含めて無理のない範囲でやる」を基準にすることが重要です。
睡眠 食事 軽い運動を整えるコツ
だるさが強いときほど 昼夜逆転や不規則な睡眠リズムになりがちですが 自律神経を整えるためには 起床時間を毎日そろえることが最優先です。
夜は寝る一〜二時間前からスマホや強い光を避け 温かい入浴と軽いストレッチで体と心を休ませる準備をします。
食事は 完璧な内容を目指すよりも 「タンパク質を毎食少しずつ」「水分とミネラルをこまめに補給」を目標にすると続けやすくなります。
体調が許す範囲で 短時間の散歩や軽い筋トレを取り入れると 血流がよくなり 夜の睡眠も深くなりやすくなります。
ロングコビッドのだるさ 脱力感で語られる成分とサプリメント
ビタミンB群 鉄 分岐鎖アミノ酸などエネルギー産生を支える成分
ビタミンB1 B2 B6 B12などのビタミンB群は 糖質やタンパク質をエネルギーに変える過程で欠かせません。
特に疲労感が強い人では これらが不足していることがあり サプリメントや点滴で補うケースもあります。
鉄不足は だるさ 頭痛 めまい などの原因になるため フェリチンを含めた検査で不足が分かった場合は 補充が検討されます。
分岐鎖アミノ酸(BCAA)やプロテインは 筋肉の材料としてだけでなく エネルギー源としても使われるため 食事で不足しがちな場合の補助になります。
コエンザイムQ10 乳酸菌 漢方系サプリの位置づけ
コエンザイムQ10は 細胞内でエネルギーを作るミトコンドリアの働きを助ける成分として 疲労感対策でよく名前が挙がります。
ロングコビッドに対する決定的なエビデンスはまだ十分ではありませんが 一部で補助的な位置づけとして使われています。
腸内環境を整える乳酸菌 プロバイオティクスは 免疫バランスや栄養吸収の面から体全体の回復を支える可能性があります。
また 漢方由来のサプリも出ていますが 薬と同様に体質との相性があるため 独断で多種類を併用するより 医療者に相談して選ぶ方が安全です。
メンタルとの付き合い方と周囲への伝え方
「見えない疲労感」を言葉にする工夫
だるさ 脱力感は 数値や見た目に現れにくいため 周囲から理解されづらい症状です。
「一日中だるい」とだけ伝えるより 「シャワーを浴びると一時間動けなくなる」「スーパーに行くとその日は横になるだけになる」など 具体的な場面で説明すると 相手にイメージしてもらいやすくなります。
主治医にも 同じように生活の中の困りごととして伝えることで より現実的な治療や配慮を提案してもらいやすくなります。
罪悪感を減らしながら回復していくために
「前はこれくらい普通にできたのに」「周りはみんな元に戻っているのに」と自分を責める気持ちは 自律神経の緊張を高め かえって回復を遅らせることがあります。
体験談でも 「できない自分を責めるのをやめたら かえって体調が安定してきた」という声が多く聞かれます。
今の自分の体力でできる範囲を少しずつ広げていく 長距離マラソンのようなイメージを持つことが大切です。
回復のスピードは人それぞれで 比べるべきは他人ではなく 「一カ月前の自分」です。
まとめ コロナ 後遺症 だるさ 脱力感と向き合いながら改善していくために
コロナ 後遺症 だるさ 脱力感 ロングコビッドlongcovidは 検査に出にくいにもかかわらず 生活の質を大きく下げる厄介な症状です。
特効薬はないものの 医療機関での評価と 漢方やビタミン 炎症や自律神経へのアプローチ ペーシング 生活習慣の工夫を組み合わせることで 少しずつ動ける範囲が広がった体験談が多くあります。
焦りと罪悪感を少し脇に置き 「今日はここまでできた」という小さな前進を積み重ねながら 主治医や家族と協力して 自分のペースで回復を目指していきましょう。


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