ロングコビッドでは倦怠感や息切れだけでなく、手足のしびれ、ピリピリ感、感覚鈍麻といった神経症状が長引くことがあります。
特に、指先や足裏のしびれから始まり、徐々に広がって日常生活動作に支障をきたすケースが報告されています。
しびれは単なる不快感にとどまらず、歩けない、階段が上れない、物をつかめないといった深刻な機能障害につながることもあります。
また、しびれに痛みが伴う場合も多く、夜間の睡眠障害や精神的ストレスを引き起こす要因にもなります。
なぜコロナ後にしびれが長引くのか
新型コロナウイルスは血管や神経に炎症を引き起こし、末梢神経の障害や血流不良がしびれの原因になると考えられています
特に、小径線維ニューロパチー（Small Fiber Neuropathy）と呼ばれる細い神経線維の障害が、コロナ後遺症で多く見られるパターンとして注目されています。
また、免疫系の過剰反応や自己免疫的なメカニズムで神経が攻撃され、ギランバレー症候群のような神経障害が起こる可能性も指摘されています。[7]
さらに、感染中の安静期間による筋力低下や循環不良が、神経症状を悪化・長期化させる要因となります。[2]
コロナ 後遺症 しびれが治るまでの体験談
体験談1 手足のしびれで歩けなくなったが回復したケース
一人目は、コロナワクチン接種後に手足のしびれと倦怠感が出現し、特に足のしびれがひどくなって歩けなくなった方のケースです。[2]
最初は足を引きずって歩くような状態で、階段は手すりを持たなければ上れず、仕事も休まざるを得ない状況でした。[2]
病院で検査を受けても明確な原因が分からず、症状に対する治療として整体や理学療法を受けることになりました。[2]
施術では、筋膜リリースや循環改善、筋肉の短縮改善などのアプローチを継続し、数カ月かけて徐々に症状が軽減していきました。[2]
治療開始当初は痛みとしびれが強く、言葉で表現すると「痛い」しかなかったそうですが、治療を続けるうちに痛みが減り、足の感覚が戻り始めました。[2]
数カ月後には普通に歩けるようになり、階段も手すりなしで上れるようになり、仕事復帰も見えてきたそうです。[2]
本人は「薬ではなく、筋肉や循環に対する直接的なアプローチが効果的だった」と振り返り、諦めずに治療を続けたことが回復の鍵だったと語っています。[2]
体験談2 腕のしびれと痛みが半年続いたケース
二人目は22歳の大学生で、コロナ感染後に腕のしびれが出現し、半年以上休職を余儀なくされたケースです。[1][4]
運動部に所属していた体格の良い青年でしたが、感染後から腕のしびれと倦怠感が続き、将来への不安に悩まされました。[1]
複数の医療機関を受診しましたが、明確な診断がつかず、コロナ後遺症外来で継続的な治療を受けることになりました。[4]
鼻の奥に感染の影響と思われるひどい炎症が見つかり、塗り薬などで治療したところ、徐々に全身状態が改善し始めました。[4]
並行して、ビタミンB12などの神経栄養素の補充や、軽い運動療法を続けたことで、数カ月後にはしびれの頻度が減りました。
半年を過ぎる頃には日常生活にほぼ支障がないレベルまで回復し、学業にも復帰できたそうです。
体験談3 足のしびれで仕事を退職せざるを得なかったケース
三人目は介護職の方で、コロナ後遺症による足のしびれで高齢者にケガをさせる恐れがあり、退職を選択したケースです。[8]
足の感覚が鈍く、力の入れ具合が分からないため、利用者を支える際に不安があり、仕事を続けることができませんでした。[8]
コロナ後遺症外来や鍼灸治療を受け、上咽頭擦過療法や鍼治療を継続しました。[10][8]
鍼治療では、しびれのある部位だけでなく、自律神経を整えるツボや血流改善を目的とした全身治療が行われました。[9][10]
治療開始から一カ月ほどで、めまいがなくなり立ち上がれるようになり、しびれも徐々に軽減していきました。[5]
三カ月後には足の感覚がかなり戻り、半年後には日常生活で困ることがほとんどなくなり、別の職場で再び働き始めることができたそうです。[10]
医療機関で行われた検査と主な治療法
神経内科 整形外科 ロングコビッド外来での診察の流れ
手足のしびれが続く場合、まず神経内科や整形外科で神経学的検査、画像検査（MRI、CTなど）、神経伝導検査などを行います。
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、構造的な問題がないかを確認し、他の原因を除外します。[3]
血液検査では、ビタミンB12不足や糖尿病、甲状腺機能異常など、しびれの原因となる他の病気をチェックします。
ロングコビッド外来では、しびれ以外の後遺症症状も含めて総合的に評価し、治療計画を立てます。[4][8]
神経ブロック 鍼灸治療 漢方薬などのアプローチ
痛みとしびれが強い場合、神経ブロック療法が行われ、痛みの悪循環を断つことで症状の改善が期待されます。[7]
ブロック後は痛みとしびれの改善が見られますが、効果の持続には個人差があります。[7]
鍼灸治療は、血流改善、自律神経調整、筋緊張緩和を目的として行われ、多くの患者で劇的な改善が報告されています。[9][10][5]
漢方薬では、神経痛に対して牛車腎気丸や八味地黄丸、循環改善に当帰芍薬散などが用いられます。[7]
自宅で続けたリハビリと生活習慣の工夫
血流改善とストレッチで神経回復を促す方法
しびれの改善には、末梢の血流を良くすることが重要です。[2]
温かいお風呂にゆっくり浸かる、足湯や手湯を習慣化する、マッサージで筋肉をほぐすなどが効果的です。
軽いストレッチや関節の曲げ伸ばし運動を毎日続けることで、筋肉の短縮を防ぎ、神経の圧迫を減らすことができます。[2]
ただし、無理をすると逆効果になるため、痛みやしびれが強くならない範囲で行うことが大切です。
再発を防ぐための姿勢と運動習慣
長時間同じ姿勢を続けると神経の圧迫や血流不良が起こりやすいため、定期的に姿勢を変えたり、軽く動いたりすることが重要です。
デスクワークの場合は、一時間に一度は立ち上がって体を動かし、肩や首のストレッチを行います。
回復期には、ウォーキングや軽い筋力トレーニングを段階的に取り入れ、全身の血流と筋力を維持することが再発予防につながります。[2]
睡眠の質を保ち、ストレスを軽減することも、自律神経を整えしびれの悪化を防ぐために大切です。[9]
ロングコビッドのしびれに関連する栄養成分とサプリメント
ビタミンB12 ビタミンB1 αリポ酸など神経をサポートする成分
ビタミンB12は末梢神経の修復と維持に不可欠で、しびれの治療で最もよく用いられる栄養素です。
ビタミンB1（チアミン）も神経機能に重要で、不足すると末梢神経障害を引き起こします。
αリポ酸は抗酸化作用と神経保護作用があり、糖尿病性神経障害などで用いられることがあります。
これらの栄養素は、肉類、魚、卵、乳製品、ナッツなどから摂取できますが、不足が疑われる場合はサプリメントも検討されます。
オメガ3脂肪酸や抗酸化成分の位置づけ
オメガ3脂肪酸（EPA、DHA）は抗炎症作用があり、神経の炎症を抑える可能性があります。
青魚、亜麻仁油、くるみなどに多く含まれ、日常的に摂取することが推奨されます。
ビタミンEやビタミンCなどの抗酸化成分も、神経細胞を酸化ストレスから守る役割があります。
サプリメントを使用する際は、過剰摂取や他の薬との相互作用に注意し、医師や薬剤師に相談しながら取り入れるのが安全です。
不安との付き合い方と ロングコビッドlongcovidからの回復を目指すうえで大切なこと
しびれの記録と症状の波を理解する
しびれは日によって強さが変わることが多く、「良い日」と「悪い日」の波を記録することで、悪化要因や改善要因を見つけやすくなります。
睡眠不足、ストレス、長時間の同じ姿勢、寒さなどが悪化要因になることが多いため、記録から気づきを得ることができます。
小さな改善も見逃さず、「今日は少し感覚が戻った」「歩きやすくなった」といったポジティブな変化を意識することが、長期戦を乗り切る力になります。[5][2]
長期戦を乗り切るための心構えと専門医との連携
ロングコビッドのしびれは、数カ月から一年以上かけて徐々に改善していくケースが多く、焦らず治療を続けることが重要です。[4][2]
体験談では、「諦めずに治療を続けたことが回復につながった」という声が多く聞かれます。[5][2]
定期的に神経内科やロングコビッド外来、鍼灸院などで状態を確認し、治療方針を見直すことで、より効果的なケアが受けられます。[10][8]
同じような経験をした人の体験談を読むことで、「自分だけではない」と感じられ、希望を持って治療に取り組めます。[1][5]
まとめ コロナ 後遺症 しびれと向き合いながら改善していくために
コロナ 後遺症 しびれ ロングコビッドlongcovidは、神経への炎症や血流不良、免疫系の異常が原因と考えられています。[5][7][2]
神経内科での適切な診断と治療、鍼灸や理学療法での循環改善、ビタミンB群などの栄養補給を組み合わせることで、多くの人が回復しています。[10][4][2]
しびれが長引く場合は一人で抱え込まず、専門医に相談し、自分に合った治療とリハビリを見つけることが回復への近道です。[8][10]
焦らず少しずつ、神経の回復と全身状態の改善を目指していきましょう。[5][2]
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