新型コロナから回復したあと ろれつが回らない 言葉が出にくい 発音がうまくできない という言語障害に悩む人が少数ながらいます。
電話での会話が困難になる 仕事でのプレゼンができない 家族との日常会話でさえストレスになる といった深刻な影響が出ることもあります。
この記事では コロナ後遺症でろれつが回らない状態から 言語聴覚士のリハビリや鍼灸治療 栄養補給で改善していった体験談と 主な治療法 成分 サプリメントの考え方をまとめます。
コロナ後遺症 ろれつが回らない ロングコビッドとは
ロングコビッドで報告される言語障害 構音障害の症状
コロナ後遺症として 咳や倦怠感 ブレインフォグとともに ろれつが回らない 言葉が出ない といった言語障害が報告されています。
具体的には 口が思うように動かない 発音がはっきりしない 言いたい言葉が出てこない 会話のスピードが遅くなる といった症状があります。
脳卒中の症状と似ているため 急にろれつが回らなくなった場合は まず脳梗塞などの重大な病気を除外する必要があります。[6]
検査で脳に明らかな異常が見つからない場合 コロナ後遺症による神経障害や脳の機能低下が疑われます。
なぜコロナ後に言葉が出にくくなるのか 脳と神経への影響
コロナ後のろれつ障害には いくつかの要因が考えられます。
一つは 脳の微小な血流障害や炎症です。
コロナウイルスが脳や神経組織に影響を与え 言語中枢や運動制御に関わる部分の機能が低下することで ろれつが回らなくなる可能性があります。
二つ目は 神経伝達の障害です。
コロナ感染後の慢性炎症が 神経伝達物質のバランスを崩し 口周りの筋肉の動きや言語のプログラミングに支障が出ると考えられています。
三つ目は ブレインフォグとの関連です。
頭がぼんやりして集中力が低下すると 言葉を選ぶ処理速度が遅くなり 結果としてろれつが回らなくなったり 言葉が出にくくなったりします。
四つ目は 不安やストレスによる悪化です。
言葉が出にくいことへの不安が さらに緊張を生み 余計に口が動かなくなる悪循環に陥ることもあります。
コロナ後遺症 ろれつが回らないが改善するまでの体験談
体験談1 言語聴覚士のリハビリで会話ができるようになったケース
一人目は40代男性 営業職。
コロナ感染から一カ月ほど経ったころから ろれつが回らなくなり 電話での会話が困難になりました。
顧客との商談中に言葉が詰まったり 発音が不明瞭になったりして 仕事に大きな支障が出るようになりました。
まず神経内科を受診し 脳のMRI検査や血液検査を受けたところ 脳梗塞などの明らかな異常は見つかりませんでした。
医師からは コロナ後遺症による構音障害の可能性が高いと診断され 言語聴覚士によるリハビリテーションを受けることになりました。
言語聴覚士のリハビリでは 口周りの筋肉を動かす体操 発音練習 呼吸訓練などを週2回のペースで行いました。
最初は「あいうえお」をゆっくり発音することから始め 徐々に早口言葉や長文の音読へとステップアップしていきました。
一カ月ほどで 日常会話の明瞭度が向上し始め 三カ月後には電話での会話もほぼ問題なくできるようになりました。
半年後には仕事での商談やプレゼンテーションにも復帰でき 現在はほぼコロナ前の状態に戻ったそうです。
体験談2 鍼灸治療と漢方薬で言葉が出やすくなったケース
二人目は50代女性 教師。
コロナ感染後 ろれつが回らない 言葉が思い出せない という症状が続き 授業での説明が困難になりました。
生徒の前で言葉がスムーズに出ないことに強いストレスを感じ 精神的にも追い詰められていきました。
西洋医学の検査では異常が見つからず 薬での治療も効果が出なかったため コロナ後遺症に対応している鍼灸院を受診しました。
鍼灸では 首 肩 頭部のツボを中心に 脳と神経への血流を改善する治療が行われました。
同時に 漢方外来も受診し 脳の機能を支える補中益気湯と 気血の巡りを整える当帰芍薬散を処方されました。
週1回の鍼灸治療と毎日の漢方薬服用を続けたところ 一カ月ほどで言葉の詰まりが減り始めました。
三カ月後には ろれつもほぼ正常に戻り 授業での説明もスムーズにできるようになりました。
医師からは「上咽頭の炎症や全身の気血の流れが改善したことで 脳の機能も回復した可能性がある」と説明されたそうです。
体験談3 ビタミンB群とリハビリで仕事復帰できたケース
三人目は30代女性 コールセンター勤務。
コロナ感染後 ろれつが回らない 言葉が出にくい という症状が続き 電話応対の仕事ができなくなりました。
休職を余儀なくされ 経済的にも精神的にも追い詰められていきました。
神経内科を受診し 検査では異常が見つからなかったものの 血液検査でビタミンB12の値がやや低いことが判明しました。
医師からは ビタミンB12欠乏が神経障害を引き起こす可能性があると説明され ビタミンB12の注射と 総合ビタミンB群のサプリメントを処方されました。
同時に 言語聴覚士のリハビリも週1回受け始めました。
リハビリでは 舌の運動 唇の動き 発声練習を丁寧に行い 自宅でも毎日10分程度の練習を続けました。
ビタミン補給とリハビリを開始して二週間ほどで 少しずつ言葉が出やすくなり始めました。
二カ月後には ゆっくりであれば電話応対ができるレベルまで回復し 三カ月後に時短勤務で職場復帰しました。
現在は通常勤務に戻り ビタミンB群のサプリメントは予防的に継続しているとのことです。
神経内科・耳鼻科で受けた診断と主な治療法
言語障害の検査と診断の流れ 脳梗塞との鑑別
ろれつが回らない症状が出た場合 まず脳卒中などの重大な病気を除外する必要があります。[6]
急にろれつが回らなくなった 顔半分が動きにくい 突然の手足のしびれがある といった場合は 脳梗塞の可能性があるため すぐに119番通報することが推奨されます。[6]
神経内科では 脳のMRI検査 血液検査 神経学的検査などを行い 脳や神経に器質的な異常がないかを確認します。
言語機能の評価として 言語聴覚士による構音検査 失語症検査 嚥下機能検査なども行われることがあります。
検査で明らかな異常が見つからず コロナ感染との時期的な関係がある場合 コロナ後遺症による言語障害と診断されます。
リハビリテーション 漢方薬 ビタミン剤などの治療アプローチ
治療の中心は 言語聴覚士によるリハビリテーションです。
口腔器官の運動訓練 構音訓練 呼吸訓練などを個別のプログラムで行い 週1〜2回のセッションと自宅での練習を組み合わせます。
ビタミンB群(特にB1 B6 B12)は 神経の修復と機能維持に重要で 不足が確認された場合は注射やサプリメントで補充します。
ビタミンB12は 神経伝達に直接関わるため 欠乏すると言語障害や認知機能低下を引き起こす可能性があります。
漢方薬では 補中益気湯(気力と体力を補う) 当帰芍薬散(血流を改善する) 加味帰脾湯(不安を和らげる)などが用いられることがあります。
鍼灸治療も 首や頭部への血流を改善し 神経機能の回復をサポートする目的で併用されることがあります。
自宅で続けたセルフケアと生活習慣の工夫
ゆっくり話す 口の体操 発音練習の実践
ろれつが回らないときは 焦って早口で話そうとすると余計に言葉が出にくくなります。
ゆっくり はっきりと話すことを意識し 一音一音を丁寧に発音することが基本です。
自宅でできる口の体操として 次のような練習が有効です。
・舌を上下左右に動かす 舌を前に突き出す 舌を回す
・唇を大きく「う」の形にする 「い」の形にする 繰り返す
・「あいうえお」をゆっくり大きな口で発音する
・「ぱぴぷぺぽ」「かきくけこ」など 破裂音の練習をする
鏡を見ながら練習すると 自分の口の動きを確認でき より効果的です。
毎日5〜10分程度の練習を継続することが 回復への近道になります。
睡眠 ストレス管理 水分補給で脳と神経を整える方法
脳と神経の機能回復には 十分な睡眠が不可欠です。
睡眠中に脳は修復され 神経の再構築が行われるため 毎日7〜8時間の質の良い睡眠を確保することが重要です。
ストレスは神経の働きを悪化させ ろれつ障害を悪化させる要因になります。
リラックスする時間を作る 深呼吸や軽い運動で気分転換をする 趣味を楽しむなど ストレスを溜めない工夫が必要です。
水分不足は脳の機能低下を招くため こまめな水分補給が推奨されます。
一日1.5〜2リットルを目安に 水やお茶を飲む習慣をつけることが大切です。
ロングコビッドのろれつ障害に関連して語られる成分とサプリメント
ビタミンB群 葉酸 オメガ3など神経と脳を支える成分
ビタミンB群は 神経の健康と機能に不可欠な栄養素です。
ビタミンB1(チアミン)は 脳のエネルギー代謝に関わり 不足すると集中力低下や言語機能の低下につながります。
ビタミンB6(ピリドキシン)は 神経伝達物質の合成に必要で 不足すると神経症状が出やすくなります。
ビタミンB12(コバラミン)は 神経の修復と維持に重要で 欠乏すると末梢神経障害や認知機能低下を引き起こします。
葉酸も ビタミンB12と協力して神経機能を支えるため 両方をバランスよく摂取することが推奨されます。
オメガ3脂肪酸(EPA DHA)は 脳の細胞膜の主要成分で 抗炎症作用もあり 神経機能の回復をサポートします。
コエンザイムQ10 抗酸化栄養素 アミノ酸の位置づけ
コエンザイムQ10は ミトコンドリアのエネルギー産生を助け 脳と神経細胞の活動を支えます。
疲労感や倦怠感が強い場合の補助として使われることがあります。
ビタミンC ビタミンE などの抗酸化栄養素は 神経細胞を酸化ストレスから守り 炎症を抑える働きがあります。
野菜 果物から摂取するのが基本ですが サプリメントで補う場合は医師や薬剤師に相談するのが安全です。
アミノ酸(特にBCAA グルタミンなど)は 神経伝達物質の材料となり 脳の機能維持に役立ちます。
肉 魚 卵 大豆製品などから十分なタンパク質を摂ることで 必要なアミノ酸を確保できます。
不安との付き合い方と ロングコビッドlongcovidからの回復を目指すうえで大切なこと
コミュニケーションへの不安と周囲への伝え方
ろれつが回らないと コミュニケーションへの恐怖が強まり 人と話すことを避けるようになりがちです。
電話が怖い 会議で発言できない 友人との会話が苦痛 といった悩みは 孤立を深めてしまいます。
家族や職場 友人には 「コロナ後遺症で言葉が出にくい状態」であることを正直に伝えることが大切です。
理解を得ることで 「ゆっくり話していいよ」「焦らなくて大丈夫」という配慮を受けやすくなり 精神的な負担が軽くなります。
筆談やメール チャットなどの代替手段を活用することも 一時的な対処法として有効です。
長期戦を乗り切るための心構えと段階的な回復を信じる姿勢
ろれつ障害の回復には 数週間から数カ月 場合によっては一年以上かかることもあります。
「すぐに治らない」ことに焦りや絶望を感じやすいですが 小さな改善を見逃さず 少しずつ前進していることを確認することが大切です。
「今日は昨日より少し言葉が出やすかった」「会話の途中で詰まる回数が減った」といった小さな変化を記録しておくと 回復の実感が得られやすくなります。
言語聴覚士や医師と相談しながら 焦らず継続的にリハビリを続けることが 回復への最短ルートです。
まとめ コロナ後遺症 ろれつが回らないと向き合いながら改善していくために
コロナ後遺症の「ろれつが回らない」は 脳や神経への影響 神経伝達の障害 ブレインフォグなどが複合的に関わって起こります。
神経内科での適切な診断と 言語聴覚士によるリハビリテーション ビタミンB群の補充 漢方薬や鍼灸治療などを組み合わせることで 多くの人が数カ月で改善しています。
ゆっくり話す 口の体操 発音練習 十分な睡眠 ストレス管理 ビタミンB群やオメガ3の摂取といったセルフケアも重要です。
焦らず 小さな改善を積み重ね 医療機関と連携しながら 自分のペースでロングコビッドlongcovidからの回復を目指していきましょう。


コメント