新型コロナにかかったあと、発熱やのどの痛みは治まったのに、全身のかゆみやじんましんが何週間も続いてつらいという声が増えています。
こうした皮膚のかゆみもロングコビッド(longcovid)の一つとされ、原因がはっきりしないまま長引くことで大きな不安につながりがちです。
この記事では、コロナ 後遺症 かゆみで悩みながらも、医療機関での治療と自宅ケアを続けて落ち着いていった体験談と、症状の軽減に役立った治療法・成分・サプリメントをまとめます。
コロナ 後遺症 かゆみ ロングコビッドとは
ロングコビッドで起こる代表的なかゆみ・皮膚症状
コロナ後遺症では、倦怠感や息切れだけでなく、皮膚のかゆみや湿疹、じんましんなどの皮膚症状が続くことがあります。
全身に赤い発疹が出たり、特定の部位だけに強いかゆみが集中したりと、出方は人それぞれです。
特に多いのが、全身または体幹を中心としたじんましん様の発疹と、乾燥に伴う強いかゆみです。
中には、コロナ前からあったアトピー性皮膚炎やアレルギー体質が悪化したと訴える人もいます。
なぜコロナ後にかゆみが長引くのか
ウイルス感染後は、免疫のバランスが崩れ、炎症が長引きやすくなります。
コロナでは血管や皮膚の免疫細胞にも影響が出ると考えられており、その結果として皮膚のかゆみや発疹が出やすくなるとされます。
また、もともと湿疹やアレルギーが出やすい「弱いところ」に後遺症が残りやすい、という現場の医師のコメントもあります。[1]
ストレスや睡眠不足、汗や摩擦などの刺激もかゆみを増幅させるため、生活環境との組み合わせで症状が長引きやすくなります。
コロナ 後遺症 かゆみが治るまでの体験談
体験談1 全身のじんましんとかゆみが数カ月続いたケース
一人目は40代女性。コロナが治って一息ついた頃、体幹と腕にじんましんのような赤い膨疹が出始め、数日で全身に広がりました。
特に夜になるとかゆみが強くなり、掻きむしって眠れない日が続いたため、皮膚科を受診しました。
診察では、コロナ後の中毒疹・じんましんの可能性が高いと説明され、抗ヒスタミン薬とステロイド外用薬が処方されました。[7]
洗剤や柔軟剤を低刺激のものに変え、タオルや敷布団も総入れ替えするよう勧められ、実際に寝具を一新したところ、数週間で発疹の広がりが止まりました。[1]
完全にかゆみが消えるまではおよそ二~三カ月かかったものの、医師の指示どおり「洗いすぎない」「皮膚を温めすぎない」「痒いところは冷やす」を続けることで、再発も減っていきました。[1]
今では保湿と洗剤選びに気をつけることで、ほぼ日常生活に支障のない程度になったそうです。
体験談2 乾燥とかゆみが悪化しアトピー様になったケース
二人目は30代男性。もともと軽い乾燥肌でしたが、コロナ感染後から脚と腕の乾燥とかゆみが急に悪化し、掻き壊して色素沈着が残るほどになりました。
皮膚科では「アトピー性皮膚炎の増悪に近い状態」と言われ、保湿剤と弱めのステロイド軟膏、抗ヒスタミン薬が処方されました。
医師からは「今まで以上に優しく洗うこと」「熱いお湯を避けること」「とにかく保湿を徹底すること」を指導されました。[1]
実際に、石けんを低刺激のものに変え、シャワーはぬるま湯、入浴時間は短めにし、入浴直後に保湿剤をたっぷり塗るようにしたところ、1カ月ほどでかゆみのピークは過ぎました。
さらに、自宅の湿度管理や、汗をかいたら早めにシャワーと保湿をする習慣に変えたことで、三カ月後には「かゆみで仕事に集中できない」というレベルからは脱出できたといいます。
今でも乾燥シーズンは少しかゆみが出るものの、以前のような強い悪化はなくなり、「コロナをきっかけにスキンケアを見直せた」と前向きにとらえています。
体験談3 夜中に目が覚めるほどのかゆみから回復したケース
三人目は50代女性。コロナ回復後、背中と首の後ろに原因不明のかゆみが出現し、夜になると悪化して何度も目が覚める状態が続きました。
皮膚科を受診しても、明らかな湿疹は少なく、「乾燥とかぶれが混在している状態」と言われ、保湿と弱いステロイド、抗ヒスタミン薬で経過を見ることになりました。
医師のアドバイスで、汗や洗剤の残りが刺激になっている可能性を踏まえ、寝具を総とっかえし、洗濯洗剤の量を半分に減らしたところ、少しずつかゆみの強さが下がっていきました。[1]
同時に、就寝前の入浴時間を短くし、冷感のあるローションでほてりを抑えてから寝るようにしたことで、夜中に目が覚める回数が1カ月ほどで半分以下になりました。
三カ月を過ぎる頃には、抗ヒスタミン薬を減量しても大きなぶり返しはなくなり、「今思えば、寝具と洗い方を変えたのが一番効いた」と感じているそうです。
医療機関で行われた検査と主な治療法
皮膚科・アレルギー科での診察と除外しておくべき病気
コロナ後のかゆみが長引く場合、まず皮膚科やアレルギー科で診察を受け、他の病気が隠れていないかを確認することが大切です。
医師は、発疹の形・広がり・経過・内服薬の有無(薬疹の可能性)などを丁寧に聞き取り、必要に応じて血液検査や、まれに皮膚生検なども行います。[6]
とくに、新しく飲み始めた薬がある場合は薬疹の可能性も考え、コロナそのものによる皮膚症状か、薬によるものかを慎重に見極める必要があります。[6]
また、肝臓・腎臓の病気や胆道系の異常による全身のかゆみもあるため、長引くかゆみでは血液検査でのチェックが推奨されます。
抗ヒスタミン薬 ステロイド外用薬 漢方薬などの使い方
かゆみの緩和には、第一に抗ヒスタミン薬(アレルギー薬)がよく使われ、じんましんやアレルギー性のかゆみを和らげます。[2]
必要に応じて、夜だけ眠気の少ないタイプや、昼間に支障の少ないタイプを選ぶなど、生活スタイルに合わせた調整が行われます。
局所の炎症が強い場合は、ステロイド外用薬が短期間用いられます。[3]
医師は部位や症状に応じて強さを選び、「痒いところにだけ」「決められた期間だけ」というルールで安全に使うよう指導します。[3]
漢方薬が併用されることもあり、体質や全身状態に合わせて、かゆみや炎症、ストレスを和らげる処方が選ばれます。
かゆみや湿疹が慢性化している場合は、生活習慣やストレスケアも含めた総合的な治療が行われます。
自宅で継続したスキンケアと生活習慣の工夫
保湿と洗浄の見直し タオルや寝具を変えた工夫
コロナ後遺症でかゆみが出ている皮膚は、とても敏感になっていることが多く、「洗いすぎ」と「乾燥」が悪化要因になります。
刺激の少ないボディソープを少量だけ使い、ゴシゴシこすらず手でなでるように洗う、湯温はぬるめにして入浴時間を短めにする、といった工夫が有効です。[1]
入浴後は五分以内に保湿剤をたっぷり塗り、特に乾燥しやすい部位は重ね塗りします。
また、タオルや敷布団、枕カバーなど、肌に長時間触れるものを新しいものに替え、洗剤量を半分にしてよくすすぐ、といった工夫で改善したケースもあります。[1]
かゆみを悪化させない環境づくりとストレス対策
室内の湿度を保つことも重要で、エアコンや暖房で乾燥しやすい冬は加湿器や洗濯物の室内干しを活用します。
汗や熱はかゆみを悪化させるため、就寝時の服装や寝具は通気性の良い素材を選び、体温が上がりすぎない工夫が必要です。
かゆみはストレスによって強く感じやすくなるため、就寝前のスマホ時間を減らし、軽いストレッチや呼吸法、瞑想などでリラックスする時間を作ると良いでしょう。
かゆみとうまく付き合う感覚を持つことで、「かゆい=不安」という連鎖を少しずつ弱めていくことができます。
ロングコビッドのかゆみに関連して語られる栄養成分とサプリメント
ビタミンD オメガ3 ビタミンEなど抗炎症を意識した成分
ロングコビッド全般では、慢性的な炎症が問題とされており、抗炎症作用や免疫調節作用を持つ栄養素に注目が集まっています。
ビタミンDやオメガ3脂肪酸、ビタミンEなどは、炎症やアレルギー反応を和らげる可能性があるとして検討されています。
食事であれば、青魚、ナッツ、オリーブオイル、キノコ類などを意識的に取り入れることで、これらの成分を自然な形で補うことができます。
サプリメントとして摂る場合は、過剰摂取にならないよう、用量や体質に注意しながら利用することが大切です。
プロバイオティクスや漢方サプリの位置づけ
腸内環境と皮膚の状態には関係があるとされており、プロバイオティクス(乳酸菌やビフィズス菌など)を含むサプリやヨーグルトを試す人もいます。
腸内フローラを整えることで、免疫のバランスが改善し、皮膚症状が軽くなる可能性があると考えられています。
また、漢方由来のサプリや、かゆみ対策をうたうハーブ系サプリも市販されていますが、医薬品と違い効果や安全性のエビデンスが十分でないものもあります。
持病や服薬中の薬がある場合は、自己判断で多種類を組み合わせるのではなく、医師や薬剤師に相談しながら補助的に取り入れるのが安全です。
不安との付き合い方と ロングコビッドlongcovidからの回復を目指すうえで大切なこと
「原因不明」と言われたときの考え方
検査で明らかな異常が見つからず、「原因不明のかゆみ」と言われると、不安や不信感が強くなるかもしれません。
しかし、ロングコビッドに伴う症状は、現時点で医学的に完全には解明されていないものも多く、「原因がはっきりしない=治らない」ではありません。
複数の要因(免疫・血管・神経・生活環境など)が重なった結果として出ている、と捉え直すことで、「できることを一つずつ試していく」という姿勢を持ちやすくなります。
医師と相談しながら、薬・スキンケア・生活習慣・栄養・ストレスケアなど、いくつかのアプローチを組み合わせてみることが重要です。
長期戦を乗り切るための心構えと記録のつけ方
かゆみが長く続くと、「このまま一生続くのでは」と感じてしまいがちですが、多くの体験談では、数カ月単位で少しずつ軽くなっていったと報告されています。
一日の中でも、時間帯や環境によってかゆみの強さは変わるため、「いつ・どこで・何をしたあとに悪化するか」をメモしておくと、原因や対策が見えやすくなります。
症状の波をグラフのようにイメージし、「今日は少しマシだった」「先月より掻き壊しが減った」といった小さな改善を見つけることが、気持ちを支える材料になります。
つらいときほど一人で抱え込まず、家族や友人、同じような経験をした人の体験談から支えをもらいながら、長期戦を乗り切る意識を持つことが大切です。
まとめ コロナ 後遺症 かゆみと付き合いながら改善していくために
コロナ 後遺症 かゆみ ロングコビッドlongcovidは、ウイルス感染後の免疫バランスの乱れや、もともとの皮膚の弱点に症状が集中することで起こると考えられています。[10][1]
抗ヒスタミン薬やステロイド外用薬などの医療的な治療に加え、「洗いすぎない・保湿を徹底する・寝具や洗剤を見直す」といった生活の工夫で、実際に症状が落ち着いた体験談も多数あります。[2][7][1]
一度で劇的に良くならなくても、小さな改善を積み重ねることで、数カ月かけてかゆみの波が穏やかになっていくケースは少なくありません。
原因が分からないまま我慢を続けるよりも、皮膚科やアレルギー科で相談し、自分の体質と症状に合った治療とセルフケアを一緒に探していくことが、回復への近道になります。


コメント