新型コロナに感染して身体の症状は落ち着いたのに 気持ちが沈んで元に戻らない 人と会うのがつらい 何もやる気が出ないと悩む人が増えています。
最近はこうした心の不調もロングコビッド ロングコビッドlongcovidの一つとされ うつ病や抑うつ状態として治療が必要になるケースも少なくありません。
この記事では コロナ 後遺症 うつ病 鬱 抑うつ状態に悩みながらも 少しずつ回復していったイメージしやすい体験談と 医療機関で行われる治療法やセルフケア 栄養やサプリの考え方をまとめます。
コロナ 後遺症 うつ病 抑うつ状態 ロングコビッドとは
ロングコビッドと心の不調の関係
ロングコビッドとは コロナ感染から一定期間が過ぎても 倦怠感 息切れ 頭痛 そして精神的な症状などが続く状態を指します。
心の面では うつっぽさ 不安 感情の波 怒りっぽさ 集中力低下などが組み合わさって現れることが多く 日常生活や仕事 家族関係に大きな影響を与えます。
感染後の不安や社会的なストレスに加え 脳や神経 免疫の変化が重なり 単なる「気の持ちよう」では説明できない状態になるのが特徴です。
そのため 多くの専門家は コロナ後のうつ病や抑うつ状態を 医学的な治療と支援が必要な病気として捉えています。
なぜコロナ後にうつ病や抑うつ状態になりやすいのか
一つは コロナによる炎症や免疫反応が 脳の働きや神経伝達物質のバランスに影響するという考え方です。
また 長く続く倦怠感やブレインフォグ 仕事や学業に戻れない状況が続くと 自尊心が下がり 将来への不安から抑うつ状態になりやすくなります。
隔離生活や周囲からの偏見 経済的不安も 心の負担を増やす要因になります。
こうした身体的 社会的 心理的な要因が重なり コロナ 後遺症としてのうつ病 鬱 抑うつ状態が生じると考えられています。
コロナ 後遺症 うつ病 抑うつ状態が改善するまでの体験談
体験談1 仕事に復帰できず自信を失ったケース
一人目は 四十代の会社員で コロナ中等症で入院したあと 体のだるさと集中力低下が続き 職場復帰がうまくいかなかったケースです。
復帰後もミスが増え 仕事のスピードも落ちてしまい 上司や同僚に申し訳なさを感じるうちに 「自分には価値がない」という考えにとらわれていきました。
朝起きるのもつらくなり 通勤途中で涙が出てしまう日が続いたため 勇気を出して心療内科を受診しました。
診察の結果 ロングコビッドに伴ううつ病と診断され 一時的な休職と抗うつ薬の服用 カウンセリングを併用する方針になりました。
最初の一カ月は薬の副作用もあり 思うように楽にならない時期が続きましたが 二カ月目以降 少しずつ気持ちのどん底感が和らぎ 姿勢を起こすのが苦ではなくなってきました。
主治医と相談しながら まずは短時間の在宅勤務から始め 徐々に勤務時間を伸ばしていく形で復帰を進めたことで 大きな再悪化を防げたといいます。
半年ほどかけて フルタイムには戻れたものの 「前と同じペースを目指さない」という新しい目標を持つようになり 心の負担も以前より軽くなりました。
本人は 「病気として認めてもらい 休む許可をもらえたことが 回復の大きな転機だった」と感じたそうです。
体験談2 家事と育児がこなせず自己否定が止まらなかったケース
二人目は 三十代の子育て中の母親で コロナ後に強い疲労感と抑うつ状態に陥り 家事や育児が思うようにこなせなくなったケースです。
子どもの世話や食事作りが負担に感じられ 何もしていないのに涙が出る日が増え 「母親失格だ」と自分を責め続けていました。
保健師の勧めで精神科を受診し ロングコビッドに伴ううつ病と診断されたとき まず「甘えではなかった」と涙が止まらなかったといいます。
主治医からは 抗うつ薬の少量投与と 睡眠リズムを整えること そして家事や育児を「全部やろうとしない」ことを提案されました。
家族と話し合い 家事を外部サービスに一部頼む 祖父母やパートナーに育児を分担してもらうなど 「自分一人で抱え込まない仕組み」を整えていきました。
同時に カウンセリングで 「ちゃんとしなければならない」という完璧主義的な思考を少しずつ緩めていく練習を続けました。
三カ月ほどで 朝から涙が出る日が減り 「今日はこれだけできた」と自分を評価できる瞬間が増えていきました。
一年後には 家事や育児をこなしながら 自分のための時間も少し取り戻せるようになり 「以前の自分よりも周りに助けを求められるようになった」と振り返っています。
体験談3 若い世代で「怠けているだけ」と誤解され続けたケース
三人目は 二十代の大学生で 軽症のコロナ感染後に強い倦怠感と抑うつ状態 ブレインフォグに悩まされたケースです。
周囲からは若さゆえに「もう治ったはず」「サボっているだけ」と見られ 本人も「自分は弱い人間だ」と感じるようになりました。
授業に出ても内容が頭に入らず テストの成績も落ちていき 将来への希望が見えなくなっていきました。
友人の勧めで大学の相談窓口に行ったところ ロングコビッドの可能性を指摘され 専門外来と精神科の受診につながりました。
医師からは ロングコビッドに伴う抑うつ状態と説明され 抗うつ薬と睡眠の調整 軽いリハビリのような運動を組み合わせていく治療が始まりました。
大学側とも連携し 出席や試験の配慮を受けることで 無理にフルコマに戻らず 自分のペースで単位を取り戻していく形を選びました。
時間はかかりましたが 一年ほどで「何もしたくない日」が減り 少しずつ興味のある勉強や趣味に手を伸ばせるようになりました。
本人は 「ロングコビッドという言葉を知り 似た経験をしている人の存在を知ったことが 一人じゃないと感じるきっかけになった」と話しています。
医療機関で受けた診断と主な治療法
精神科 心療内科 ロングコビッド外来での診察の流れ
コロナ 後遺症としてのうつ病や抑うつ状態を疑うとき まずは内科やロングコビッド外来で 身体疾患や脳の異常がないかを確認することが多いです。
そのうえで 精神科や心療内科では 問診と質問票を使い 日常生活への影響や 思考と感情の変化 睡眠や食欲の状態を詳しく聞き取ります。
診断は 国際的な基準に基づき うつ病や適応障害 不安障害などを見極めながら ロングコビッドの一部として捉えるかどうかが判断されます。
倦怠感や頭痛などの身体症状が強い場合は 心身症的な側面も含めて トータルで治療方針を立てることが重視されます。
抗うつ薬や抗不安薬 漢方薬 カウンセリングなど
症状の程度に応じて 抗うつ薬が使われることがあります。
特に 気分の落ち込みや興味の喪失 希死念慮などが強い場合は 脳内のセロトニンやノルアドレナリンを整える薬が検討されます。
不安や不眠が目立つ場合には 抗不安薬や睡眠薬を短期間併用し 眠れる土台を整えながら 抗うつ薬の効果が出るまで支えることもあります。
日本では 漢方薬が併用されることも多く 抑うつ状態や自律神経の乱れに対して 加味逍遙散 補中益気湯 などが選ばれることがあります。
薬物療法に加え カウンセリングや認知行動療法を通じて 思考のクセや生活のパターンを見直していくことも重要です。
「できない自分=ダメな自分」といった極端な考え方を緩める練習や ストレスとの付き合い方を見直すことで 回復を後押しできます。
自宅で続けたセルフケアと生活習慣の工夫
回復の土台になる睡眠 食事 運動の整え方
うつ病や抑うつ状態の回復には 睡眠のリズムがとても重要です。
毎日ほぼ同じ時間に起床し 朝に光を浴びることで 体内時計を整え 夜の自然な眠気を促すように意識します。
食事では 極端なダイエットや偏食を避け 炭水化物 タンパク質 脂質 ビタミン ミネラルをバランスよく取ることが基本になります。
特に タンパク質は脳の神経伝達物質の材料になるため 肉 魚 卵 大豆製品などを意識的に取り入れることが勧められます。
運動は ハードなものではなく 散歩や軽いストレッチから始め 「少し体を動かすと気分が軽くなる」感覚を積み重ねていくことが大切です。
体験談でも 一日十〜十五分の散歩を継続するうちに 気分の落ち込みの波が小さくなったと感じる人が多くいます。
思考のクセに気づき感情の波を小さくする工夫
抑うつ状態のときは 「全部ダメ」「いつまでもこのままだ」といった極端な考え方に偏りがちです。
日記やメモに「その日できたこと」「少しだけ楽だったこと」を書き出していくと 全体像が少し違って見えてくることがあります。
カウンセリングやセルフヘルプ本などを通して 「白か黒か」「すべき思考」を見直す練習を続けると 感情の揺れ方が穏やかになっていきます。
同時に 信頼できる家族や友人に 「今はロングコビッドによる抑うつ状態で パフォーマンスが落ちている」と説明し 期待値を調整してもらうことも役に立ちます。
ロングコビッドの抑うつ症状で語られる栄養成分とサプリメント
ビタミンD オメガ3 ビタミンB群など脳を支える成分
うつ病全般の研究では ビタミンDやオメガ3脂肪酸 ビタミンB群などが 気分や脳機能に関わる栄養素として注目されてきました。
ロングコビッドに関しても これらの栄養不足があると 回復が遅くなる可能性があると指摘する論文があります。
ビタミンDは 日光を浴びることで体内で合成され 魚や卵 キノコ類からも摂取できます。
オメガ3脂肪酸は サバやイワシなどの青魚 亜麻仁油やエゴマ油などに多く含まれ 炎症や気分に関する研究が進んでいます。
ビタミンB群は 神経の働きやエネルギー代謝の要となるため 肉 魚 卵 大豆 玄米などをバランスよくとることで補いやすくなります。
サプリメントを利用する場合は 過剰摂取を避け 医師や薬剤師と相談しながら補助的に活用するのが安全です。
トリプトファン マグネシウム ハーブ系サプリの位置づけ
トリプトファンは セロトニンの材料になるアミノ酸で 乳製品 大豆 バナナなどに含まれます。
一部のサプリメントでは トリプトファンやその代謝物を配合し 気分のサポートをうたっているものもあります。
マグネシウムは イライラや筋肉のこわばり 睡眠の質に関わるとされ 全粒穀物 ナッツ 海藻などに多く含まれます。
リラックスを目的としたハーブ系サプリとしては セントジョーンズワート カモミール パッションフラワーなどが知られていますが 他の薬との飲み合わせに注意が必要です。
どのサプリも 「これだけでロングコビッドのうつ病が治る」とは考えず 食事と医療的な治療を土台にした上で 補助的に位置づけることが大切です。
自己判断で多種類を併用すると かえって体調が乱れることもあるため 必ず専門家と相談しながら慎重に試すようにしてください。
不安との付き合い方と ロングコビッドlongcovidからの回復を目指すうえで大切なこと
「甘えではなく病気」と理解すること
コロナ 後遺症によるうつ病や抑うつ状態は 周囲から「気の持ちよう」「サボっている」と誤解されやすいのが大きなつらさです。
しかし 多くの専門家は こうした状態をウイルス感染後の脳と心の病気として捉えており 治療と支援が必要だと強調しています。
自分自身が「これは甘えではなく病気によるものだ」と認識できると 一人で抱え込まずに助けを求めやすくなります。
信頼できる人に現状を打ち明け 医療機関に相談することは 弱さではなく 回復に向けた大切な行動です。
長期戦を乗り切るための小さな目標と支えを持つこと
ロングコビッドの回復は 数週間で劇的に変わるというより 良い日と悪い日を行き来しながら 少しずつ上向いていく長期戦になりがちです。
そのため 「今日やることを一つだけ決める」「一週間ごとにできたことを振り返る」といった 小さな目標設定が役に立ちます。
同じような経験をした人の体験談を読むことで 自分だけではないと感じられ 希望を持てることもあります。
ただし 情報に振り回されすぎないよう 信頼できる医療情報とバランスを取りながら 自分のペースで回復を目指すことが大切です。
まとめ コロナ 後遺症 うつ病 抑うつ状態と向き合いながら改善していくために
コロナ 後遺症 うつ病 鬱 抑うつ状態 ロングコビッドlongcovidは 性格の問題でも意志の弱さでもなく 脳と心と体がウイルスとストレスのダメージを受けた結果として生じる病気です。
抗うつ薬や抗不安薬 漢方薬 カウンセリング 生活習慣の見直し 栄養サポートを組み合わせることで 実際に少しずつ回復していった体験談は多く存在します。
一人で抱え込まず ロングコビッドとメンタルヘルスに詳しい医療機関に相談し 自分の状態に合った治療やセルフケアを続けていくことが 回復への近道になります。
もし今 とてもつらい状態にあるなら 今日できる一歩として 症状や気分の変化を書き出し それを持って相談できる場所を探すところから始めてみてください。


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